2013年5月6日

「日本語には主語がいらない」

木曜日、学校にいました。授業が始まる前に中学生向けの語学総合参考書を読んでいました。「文法」というところに入りました。

最初の説明がすばらしくて、それを使わせてもらおうと思いました。
「文章、段落、文、文節、単語。 」
どの言語にも、そういうことがあります。単語の後は、「音節」と「単音」もが来ると思いますが、それは言語学上のことです。

そのところがすばらしいから、残りが優れているだろうと思って、次に来る「文節の働き」というところに入りましたが、 逆に読み始めたらがっかりしました。

がっかりしたというより、腹が立ちました。

最初の説明は、「主語と述語の働き」と。一つ目のことばを見ると、すぐ分かりました。主語を優先した説明です。残りを読むと、思ったとおり、バターのにおいがする説明、つまり英語っぽい説明です。

日本語には、主語にほぼあたる文節があります。『「名詞」が』となる文節です。たとえば、「日本は、人口が多いです。」そのところは、主語にあたる文節です。現れるところが沢山あって、重要な点ですが、主語より重要な文節があるとおもいます。

大学で日本語を勉強し始めたとき、言語学に詳しい先生がいました。その先生が優れていると思いましたが、参考書を読んだら、非常に優れていると思うようになりました。

先生は博士で、日本語についての論文を書きました。「日本語には、主語がいらない」と。論は、「日本語には、主語より重要な文節があります。その文節は、ほとんどどの文書に現れ、日本人が無意識に自然に使います。「主題」といい、日本語で「は」という助詞で表します。」

日本語の文書にはよく現れます。

この文章の文を一つ一つ見てみてください。沢山見つけると思います。 現れない文もありますが、日本語には、文節を省略された文が多いです。

どの文も、「主題」と「述題」があります。主題は分かれば、省略されますが、どの文書にもあります。 主題は、文の話題です。なんについて話すつもりですか?主題を言ってから、「述題」を述べます。述題は、話題について述べることです。

「私は病気です。」

この文には、主語(「が」で表す文節)も目的語(「を」で表す文節)もなく、主題(「は」で表す文節)しかありません。私について話して、「病気」はただの答えです。ほかに、

「僕は牛丼中盛と牛皿中盛とサラダセットです。」

前と同じように、この文には主語と目的語になる文節がありません。僕は牛丼(以下略)というものでしょうか?

もちろん、英語の主語に当たる文節もありますが、以下を読んでみてください。

「パンは私が食べます。」

日本人にとっては違和感がない分だそうです。それは、「は」の力を明かす文です。

今週末、福井県南越前町のほうでエスペラント語研修会に参加しました。とても楽しかったですが、その経験について別の投稿で話したいと思います。

夜になったら、時間が空いて、日本人の参加者に私から見た日本語の基礎文法について話しました。日本人が英語で「The」、フランス語で「Le, la, les」、そしてエスペラント語で「La」という単語があまり理解できないと語りました。でも、このことばを説明する前に、日本語でそれにあたる表現を説明しなければならないと思って、「は」の使い方を説明しました。以上と同じですから、その説明を省略しますが、ちなみに「は」という助詞が「主題」を表すと語りました。

英語とフランス語とその日本人と一緒に研究していたエスペラント語には、「は」にあたる単語がありません。その代わりに、エスペラント語では「La」を使います。以下、エスペラント語の変わりに、英語の例文を挙げますが、説明はほぼ一緒で。

「A king eats an apple.」

日本語に翻訳すると、

「国王がりんごを食べる」

上に述べた日本語の文章には、問題があります。何について話していますか?

文を少しいじりましょう。

「国王はりんごを食べる」

あっ、国王について話しています!

英語に翻訳すると、

「The king eats an apple.」

あれっ?

「A」の代わりに、「The」があります。つまり、英語では、主題を表すとき、「The」という単語を「a」の代わりに使います。

でも、日本語では、「りんごは国王が食べる」という文も出来ます。 英語に翻訳すると、どうなるでしょうか。

「A king eats the apple.」

今回は、りんごが主題で、「the」の位置が変わりました。でも、両方「The」を使うときもあります。

「The king eats the apple.」

あれっ?両方は主題になりますか?

違います。普通には、文に主題になる文節が一つしかありません。日本語だけではなく、英語でもそうです。日本語に翻訳すると、

「国王はこ(そ、あ)のりんごを食べます。」

英語では、もし両方に「The」が現れるとき、主題として主語が優先です。フランス語もエスペラント語も一緒です。(今勉強しているスウェーデン語は違います。)

次の和文を読んでください。

「りんごはこ(そ、あ)の国王が食べます。」

英語に翻訳できるでしょうか?今までの説明によると翻訳できません。でも、英語の場合、文が受身に変わります。

「The apple is eaten by the king.」

ほかの翻訳もあります。

「The apple, the king eats it.」

でも、二番目の翻訳は少し不自然です。前のほうが一般ですね。

主題にならない単語があります。疑問の単語、「だれ、なに、どう、なぜ」などです。日本人の言語学者と話したとき、その学者は『「誰がりんごを食べるか。」「国王がりんごを食べる」』という例を挙げて、日本語に主題より主語が大事だと語りました。

次の朝、私はその例について考えてみても答えが一つも思いつきませんでしたが 、同じ部屋に宿泊した日本人と会話してみたら、答えは明らかになりました。日本語には、「りんごは誰がたべるか」のほうが自然です。答えも、「りんごは国王が食べる」とは当然です。

最初に挙げた文をまた読んでみてください。

「国王がりんごを食べる。」

単独であまり使いませんが、ほかのテーマをつければ、自然に使います。

はるか遠い国では、国王がりんごを食べる。

英語では、

「In a faraway land, kings eat apples.」


あれっ?国王もりんごも複数になりました。

はい、英語では常の話なら全部複数になります。(フランス語は違います。エスペラント語は複雑で、スウェーデン語は未だ勉強していません。)単数になると、

「In a faraway land, a king eats an apple.」

日本語にすると、

「はるか遠い国では、ある国王がりんごを食べます。」

つまり、日本語では単独さを指したいとき「ある」を使います。言語はめんどくさいでしょう。

でも、それは「は」と「The」の基本の話だけですね。「は」についての話は象の鼻より長いですし、「The」の働きも主題だけではありません。

でも、私は今、日本語の先生から最初に教えていただいたことをもう一度もっと深く分かると思います。「日本語には主語がいらない。」完全ではないと思いますが、参考書よりずっと正しいと思います。

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